Virus
涼「仲間が死んでいるのに……何も出来ない自分が歯痒くて……憎いぐらいです……。だって…俺は……いつも守られてばかりで、誰かを助けてやれた事がない。大切な人……瞳を守れるか不安で……」


俺は、自分の肩で寝ている瞳を見た。


スー スーと寝息をたてて寝ている。


涼「本当……情けなさ過ぎて涙も出ませんよ…。俺……心の何処かで『これは夢だ』とか『皆、生き残ってまた前みたいにバカ出来る』とか思ってたんっすよ……。でも……夢じゃなく本当に起きている事で、しかも、もう二度と…会えなくなってしまった人が3人も出てしまった……。もし…瞳が居なくなった事の事を考えると……苦しくて 苦しくて……仕方がない…」

俺は、下を向いた。


ついそんな情けない事を言ってしまった。


すると、祐騎さんが口を開いた。


祐「……それは、情けない事なんかじゃない」


涼「えっ……?」


俺は、顔を上げた。


祐「情けねぇのは……俺達、大人だよ…」


フーっと煙草を吐きながら言った。
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