Virus
涼「え……」


祐「たかが、16〜7歳のお前等に……こんな思いをさせたのは紛れもない俺達、大人だ。これを、情けなくないって言ってどうする」

涼「そんな……」


祐「…権力や金に目が眩んだバカな奴等が戦争を始め……その時に、人間が人間を殺す為の道具が作られ、殺し合いが始まる。そして、大量の人間が死ぬ。そんな時……犠牲になるのはいつも弱い奴やガキじゃないか……。兵隊だってそうだ。家族が居ようと居まいと……。死んだらその人間はどうなる?その人間の存在や心や思い出……それがたったこんな引金1つで引くだけで消えてなくなるんだ。数秒後には動かなくなる。だから、今でも俺は引金を引くのが……正直重い」


祐騎さんが手に持っていた、銃を見つめながら言った。


涼「………」


俺は、どの言葉を使って返せばいいのか分からなくなった。


この言動的に……祐騎さんも人を殺した事があるんだ……。


祐「奴等は、それをただの数としか考えてない。今回の事だって……生物兵器を作ってたバカな奴等がその兵器をばら蒔いて起こった馬鹿げた事件だ。権力や金がある奴等は逃げれる。でも、普通の一般市民は死ぬかもしれない恐怖と戦い、化物やゾンビの存在に怯えなければならない。……本当情けねぇよ。……ガキにこんな思いさせて」


ふぅ、と煙草を吐き出す。

涼「……あの……祐騎さんは……人を…殺した事が……あるんですか……?」


俺は、気になった事を聞いてみた。
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