Virus
瞳「あっ、本当だ。涼くん頭良いね。ウチなんて全然分かんないし。さっきだってゾンビ倒して貰ったし…ウチ1人じゃ絶対生き残れなかった」



本当だ。



音に反応してる事も、噛みつかれたらあいつらの仲間入りしてしまう事も、頭が弱点だって事も…



分からなかったらきっと大声を出して皆を呼んだり気を付けたりしなかったに決まってる。




すると涼くんは焦りながら言った。



涼「そんな事ないって。だって俺、瞳ちゃんにトイレの事聞かなかったら噛みつかれたら駄目だって事分かんなかったし、あいつらが声に反応したから音に反応してんだと思っただけだし…。てゆーか、さっき瞳ちゃんがあのゾンビ倒してくれなかったら俺、死んでたしそれに…」



少し間を置く。




瞳「…それに?」




涼「それに…瞳ちゃんが一緒だから…1人だったらこんな冷静じゃなかったよ」



そうまた顔を赤らめて言った。




…そんな風に言われたらこっちだってそうだし…恥ずかしい。



瞳「ウチも…涼くんに助けられて良かった。…皆、平気かな…」




もしウチらみたいに誰かと会っていなかったら…確実に危ない。…お願い。皆無事でいて…!




涼「そうだよな…皆、無事だと良いな…。とりあえず捜しに行こう」



瞳「うん」




階段を慎重に降りる。降り終わると辺りをキョロキョロとさせる。




誰もいない。




悲鳴もだいぶ聞こえなくなってきた。



…やっぱり心配だ。



その時だった。



ガタン!
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