Virus
淳「? る…流架さん?」

明らかに流架さんは動揺している。


もしかして、言えないのか?


だったら、信用する相手を間違えたな…


S.D内にスパイが居ないって確信はない。


俺等は、少し構えた。


すると……


流「今…女性って言った?」


淳「…へっ?」


あまりにも、唐突に違う反応をされたので今度は淳志がきょとんとしている。


そんな淳志を見て、流架さんか凄くがっかりしたような顔をした。


流「あぁー……また、間違えられた…。これじゃあ、また祐騎に笑われる……。やっぱ、“僕”って言うと駄目なのかな……。そうは言っても、これは癖だからなぁ…。“俺”って言えって言われたけど……。てか、大体祐騎がもっと女の子っぽくするべきなんだよ。顔、綺麗だし……」


そう、何かをぶつぶつと呟きながら流架さんは自分の世界に入ってしまった。


…まさか?


遊「……アンタまさか…男?」


俺は恐る恐る聞いてみた。

流「まさかって……。ゴホンッ。そうだよ。ぼ……俺はれっきとした“男”だよ」

咳払いをしてから、流架さんはそう言った。


全「えぇー!?」


その場に居た、流架さん以外のメンバーが驚く。


流「シー!声が、大きいよ。あいつらが集まってきちゃう。…それにしても…そんなに女の子みたいなのかなぁ、俺……」


流架さんは人差し指を唇にあて、そう言うとすぐその後に「はぁ…」と溜め息をついた。
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