Virus
―涼達 Side―


話をしていると、機械音がした。


ピピッ…


「ガガッ…祐騎?…ピー…える…ガガッ…?」


涼「あれ?通信……?」


祐「!」


祐騎さんが、ポケットにあった通信機を手に取った。

祐「流架か!?」


そう答えると雑音が入り、少し遅れたが「良かった…ザザッ…やっと…ガガッ…通じた!」と答えが返ってきた。


祐「大丈夫か?もう、4時間以上、連絡がなかったぞ」


流「ピピッ…ゴメン。ガガッヘマしちゃ…ザザッ…って通信機を落としてしまってたん…ガガッ…だっ…」


祐「そうか。平気ならそれでいい」


祐騎さんは少し安堵の表情を浮かべた。


さっき、仲間と通信が通じないと聞いた。


……やっぱ、なんだかんだ言ってても心配だったんだな…。


流「それで……。実は、俺、日本人の高校生を…ガガッ…保護したんだけど…ザザッ…そっちに、日本人の高校生を見なかった?」


祐「なんだと!?」


涼「えっ?」


通信機から、思いがけない言葉が聞こえてきた。
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