Virus
―1時間後―


流「この通路を抜けたら、地上に出られるはずだから…もう少し頑張って」


夕「良かった〜…。もう暗いのはこりごりだもん」


裕「確かに…」


皆が、そんな会話をしている中…俺はやはり淳志が気になっていた。


顔色が悪く、少しふらふらしながら歩いていた。


具合でも、悪いのか……?

その予感は当たっていた。

淳「……!ウッ…ゲホッ!ゲホッ!」


急に口を押さえ、激しく咳き込み始めた。


遊「! 淳志!」


俺は、淳志の背中を擦ってやった。


遊「……!?」


な……なんだ!?


俺は、手に違和感を覚えた。


何かぼこっとしたものが背中にある…?


擦ってやった手に何か固いものが当たった。


……背骨か?


それにしたって……


こいつ、こんな痩せてたっけ……?


淳「ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!」

そんな事を考えている内にも淳志の容態は悪くなる。

流「大丈夫!?」


淳「ゲホッ!…だ…大丈…夫…で…ゲホッ!」


夕「全然大丈夫じゃないよ!」


「ほらっ!」と、ハンカチを渡す夕花。


淳「すっ…すみませっ…ゲホッ!」


そうハンカチを受け取ろうとした淳志の手に……


裕「!血!?」


流「本当だっ!」


血がついていた。
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