Virus
裕「うわっ、スゲー血ぃ出てるぞ!?」


淳志の口、手、ブレザーにかなりの血が付着していた。


淳「ウッ…ゲホッ!ゲホッ!…ハァ…」


呼吸も乱れていた。


流「かなり吐血してるな…何か持病とかは!?」


流架さんが、素早く淳志を横にさせながら聞いた。


遊「いや……昔から体が弱かったけど……持病はないし、今までこんな風になった事ないんだっ」


俺は、かなり焦った。


なんで急にこんな……


それに……この症状は…!

嫌な予感しかしなかった。

流「……まさか…」


流架さんも同じ事を考えているみたいだ。


夕「ねぇ、ダーリン!淳志くんは……淳志くんは大丈夫なの!?」


夕花が、俺の腕にしがみつきながら聞く。


ドクン ドクンッ…


俺は怖くて中々、口に出せなかった。


もし本当にそうなら……。

裕「どうなんだよ!?るーちゃん!」


相変わらずあだ名で、聞く裕大。


流「……凄く言いにくい事なんだけど…もしかして―…」


遊「…まさかお前……ウィルスに感染…したのか…?」


俺は、流架さんの言葉を遮って聞き拳を強く握った。

夕「えっ!?」


裕「なんだと!?」


淳「………」


淳志は目をそらして、何も言わなかった。


遊「……なんで、何も言わねぇんだよ…。どうなんだよ!?なぁ!?」


ガシッ


淳「うっ……」


無理矢理、淳志を立たせた。


流「ゆっ、遊志くん!駄目だよ!そんなに、吐血してるのに起こしたら!」


流架さんがそう叫ぶが、俺はそれどころではなかった。


頼む…!


否定してくれっ!


それしか、頭になかった。

すると、俺の願いは通じず淳志は観念したかのように……


淳「……そうだよ…」


と、弱々しく呟いた。
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