Virus
涼・瞳「!!!」



素早く辺りを見渡すとすぐ近くにある掃除ロッカーが揺れていた。




瞳「…や…奴等かな…?」



涼「…分からない…。開けてみよう」




瞳「えっ!?でも、もし奴等だったら…」



涼「人かもしれないだろ?大丈夫俺が開ける。…もしかしたら奴等かもしれないから逃げる用意はしといてね」




ウチは頷いた。




涼「じゃあ、行くよ?」




バァン!




「いやぁぁ!来ないでー!」



バシッ!



涼「ぐわっ」




扉を開けたのと涼が何かに吹っ飛ばされたのはほぼ同時だった。最初奴等かと思ったが言葉を話してる。奴等が言葉を話してるのを聞いた事はなかった。おそらく話せないだろうが。…ん?この声は…



ウチはロッカーの中を覗いた。




瞳「…夕花!」




中にちょこんと入ってほうきで涼を吹っ飛ばしたのは夕花だった。



夕「あっ!瞳〜!」




夕花は涙目で瞳に抱きついた。




瞳「良かったぁ!見付かって」




夕「恐かったよぉ〜!」




瞳「無事で良かった…」




すると下の方から




涼「ほ…本当よか…良かった…」




と弱々しい声が。



瞳「あっ!涼くん大丈夫!?」


ウチは手を出した。



涼「だ…大丈夫…そんな細いのに…意外に力あるんだね…」




涼は手を取りながら立ち上がる。




…どうやら腹をおもいっきりほうきでついたらしい。



夕「あっ、ゴメン…。恐くてパニックおこしてて…」



涼「本当大丈夫。この状況なら仕方がないよ。とにかく無事で良かった」




夕「ありがとう」
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