Virus
遊「なっ……」


俺は、力なく淳志を離した。


地面に膝をついた淳志を咄嗟に流架さんが支えた。


遊「いつだよ……いつ感染したんだよ!?」


淳志は、今までゾンビやみみのように化物に噛まれる等、感染に繋がる事はなかったはずだ。


なのに、感染したって事は……


もしかして、俺達もすでに感染してるのかもしれない。


そう思っていたが


淳「多分……最…初にこの事件が起きて……兄さんと逃げてた時辺りから……だと思う……」


と、ありえない事を言ってきた。


遊「はぁ!?だったら、もっと早く症状が出るだろ!?」

流「確か……資料によると…通常このウィルスに感染した人間は約10分でウィルスとの免疫反応で、吐血や体から出血等の症状が現れ約20分以内で、体が耐えきれなくなり、死に至る。人によって個人差はあるみたいだけど……」


流架さんの話が本当なら、もうとっくに症状は現れているはずだ。


淳「俺……体が弱いから…元々の免疫力……もそんなに強くな…い……。だから…最初の……方や戦闘の時に……僅かにでも血とかでウィルスが……体内に侵入して……少しずつ蓄積されてっ…たんだと思う…」


そんな……


ガクッ……


俺も、地面に膝をついた。
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