Virus
遊「淳志ー!!」


遊志が暗闇に向かって叫ぶ。


だが、何も聞こえないし見えない。


そこにあるのは“闇”だけだった。


遊「ちく…しょぉ…!畜生ー!」


遊志は思いっきり地面を叩いた。


俺は、なんて声をかけたらいいか分からなかった。


だって……


俺だって、さっきみみを亡くしたばっかりだから…。

その前には、ずっと仲良かった宏之も亡くし、友達のくまちゃんも亡くした。


だからこそ……かける言葉が見付けられなかった。


遊「………」


そんな中、遊志は立ち上がり……


遊「……行こう」


とだけ言って先に歩き出した。


裕「えっ?あっ、おい、遊志……」


流「……そうだね。早く行こう」


流架さんまで、歩き出した。


裕「………」


俺も黙ってついて行く事にした。


そんな中、夕花ちゃんは先を歩いてる遊志の所まで走って行った。


―――――

私は、走った。


夕「ダーリン…!」


ダーリンがこっちを向いたのと同時に私はダーリンの背中に抱きついた。


夕「……夕花は…ずっとダーリンの隣に居るからね…」


遊「!!」


ダーリンが少しだけ立ち止まった。


遊「………ありがと、夕花……」


そう言って、まだ歩み始める。


……これで…良かったんだよね……。


私は、心の中で呟いてそのままダーリンの隣を歩いた。
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