Virus
―その1時間前。 涼達 Side―


瞳「ん……」


ウチは目を覚ました。


わ……外がほんのり明るい…


ウチはどれくらい寝ちゃってたのかな…。


祐「起きたか」


瞳「! 祐騎さんっ」


運転席で、相変わらず煙草を吸いながら祐騎さんが声をかけてくれた。


祐「伊坂もつい、30分前まで起きてたんだけどな……。あぁ、そうだ。お前等の、地下に落ちた友人達は、俺……いや……私の仲間と一緒に居るみたいだぞ」


えっ!?


ウチは、バッと祐騎さんの方を向いた。


皆……無事なの!?


瞳「本当ですか!?」


そう聞くと「さっき、通信がきたんだ」と通信機を見せてくれた。



瞳「良かったぁ………」


ウチは安心したのと、同時にちょっとした疑問が頭を過った。


瞳「えっ、てか、祐騎さん……今、私って…」


祐「あぁ、こう見えても一応女だ」


瞳「えっ!?あっ、すいません…そのっ、つい……」


ウチは反省した。


何、そんな驚いてるのよウチ!


確かに口調とか……その…胸とかないけどっ!


髪とか、凄く綺麗じゃない!!


とか、訳の分からない事を考えてしまった。


そんなウチに対して祐騎さんは


祐「いや、いいよ。よく任務でも男装してるし、こんな性格だから」


冷静だ。


瞳「そ……そうですか」


男装なんか、したらモテそうだけどな……。


そう思って何気なく前を向いた。
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