Virus
祐騎さんは、銃が気になるみたいで下を向いて銃の手入れをしていた。


その、少し上のフロントガラスに白い何かが見えた。


瞳「!! 祐騎さんっ!前!」


祐「!」


フロントガラスに、白い大きな蛭みたいな化物がくっついていた。


瞳「き―――」


ウチが思わず叫ぼうとしたら、祐騎さんが口をふさいで「声を出すなっ!こいつは、特に音に敏感なんだ。首に噛まれたら終わりだ」と小声で静かに言った。


ウチは微かに頷いた。


車内に緊張が走る。


祐騎さんはウチの口を押さえたまま蛭のような化物から、目を離さない。


蛭は少しずつガラスを移動してる。すると、鮫のような牙が生えた口のようなものが見えた。その辺りが、ほんのり赤に染まっていた。


血………?


ウチが寒気を感じたその時………


涼「んっ……。わっ、瞳?何して……」


涼が目を覚ましてしまった。


祐「!!」


そして、その声に反応して蛭が牙を向いた。


その瞬間に、祐騎さんはフロントガラスごと、蛭をショットガンで撃ち抜いた。


ガシャァン!


「ピギィ!」


蛭がべちゃっと嫌な音をたてて落ちた。
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