Virus
ふぅ……


やっと正気に戻ったか…。

私は少しだけ安心した。


……あ、そういえば今、何分くらい経ったんだろうか…?


私は腕時計を見た。


……もう、15分過ぎたか……。


祐「……伊坂。15分、過ぎた。もぅ、出血も酷くなる頃だし、あと10分もしない内に佐野はゾンビになる。その前に……行くぞ」


私は、そう言って少し歩き出す。


だが……中々伊坂がついて来ない。


祐「? 伊坂?行くぞ」


それでも、全然動かない。

まだ、心の整理がつかねぇのか!?


その時……


涼「ゆ……祐騎さん…」


やっと口をきいた。


祐「なんだ?」


涼「確か……ウィルスに感染すると…傷口が赤く変色した上にかなり出血するんですよね……?」


祐「あぁ。だから、どうした?」


涼「そ…れが……」


伊坂は何をしてるのか、その場所から動かず、佐野の肩ばかりを見てる。


まだぐずぐずしてやがるのかっ…。


私は、伊坂の方へ戻った。

祐「伊坂!いい加減に――……」


そこで見たのは……


涼「傷口の……赤みが消えてるんですよ…!出血も殆どしてない!」


傷口の周りが元に戻ってる佐野の姿だった。
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