Virus
瞳「えっ…?」


ウチは訳が分からなかった。


祐「抗体があれば…症状は最初だけで治まる」


祐騎さんが言う通り、最初は傷口も凄く痛かったし体全体がかなりだるかった。

なのに……今はなんともない。


抗体が……あった?


祐騎さんは、ウチの肩を掴んだ。


祐「何か定期的に注射してた記憶とかはあるか?」


瞳「注射………。!あっ……」


ウチは思い出した。


瞳「小さい頃に……一時期だけなんですが凄い熱を出した事があって、その時、両親に毎日注射して貰ってました」


涼「じゃあ……?」


祐「……あぁ。佐野の両親が……関わってる可能性があるな…」


瞳「そんなっ!」


ウチは信じられなかった。

父も母も、医療関係の仕事だった。


ウィルス学者でも、なんでもない。


瞳「ち…父は医者で、母は看護師だったんですよ?こんな、ウィルスを作るわけが……」


祐「いや……直接、このウィルスは作ってなくとも“抗体を作らされた”……ならあり得ない話ではない」

瞳「!」


そういえば……


あの注射の時、両親はいつも「あなたを守る薬だよ」って言われてた。


まさか……


こうなるのを予知して……?


そんな考え事をしてた時だった。


ドンッ!


「!?」


銃声が聞こえた。
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