Virus
祐「誰だ!?」


ガチャッと銃を構えながら私は聞いた。


だが、答えの代わりに銃弾が私の右肩をかすった。


祐「っ!」


涼「祐騎さんっ!」


祐「大丈夫だ。かすっただけだ」


“銃”と言う事は少なくとも化物ではない。


人間だ。


まさか……研究員の奴等か……?


その時、奥に人影が走って行くのが見えた。


祐「待て!!」


追いかけたいが、伊坂と佐野を置いていくわけには…っ。


そう考えてると「祐騎さん…。行って下さい」と伊坂が言った。



祐「バカな事を言うな!お前等を残していけるわけ……」


涼「俺等は平気ですっ!それより……この事件の関係者かもしれないんですよね!?」


祐「そ……それは、そうだが……」


瞳「ウチも、もう大丈夫ですっ!」


涼「俺等、祐騎さんの邪魔はしたくありませんっ!生き残る為にもっ!」


祐「!!」


伊坂は、さっきの表情とはうって変わってしっかりとした表情で言った。


祐「……分かった。何かあったらこれを使え」


私はグレネードランチャーと弾を置いた。


祐「大抵の化物なら一発で死ぬ特殊な弾だ」


涼「これって最初とさっきの……」


祐「あぁ、“硫酸弾”だ。生き物になら通用する。すぐ戻る!」


私は、人影を追いかけた。

それが罠だったとは知らずに………。
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