Virus
ウチが目を覚ますと前には祐騎さんが居た。


後頭部が激しく痛む。


だが、そこである事に気付いた。


涼の姿がない。


瞳「ゆ…祐騎さん!涼は……涼は!?」


ウチは頭が激しく痛むのも忘れ、祐騎さんの腕を掴んだ。


祐「……捜したんだが、この辺りには居なかった」


瞳「そんなっ!ど…うしよう…!どうし――」


祐「落ち着くんだ佐野!取り乱しても状況はよくならないぞ」


瞳「あっ………すみません…」


祐「何があった?」


ウチはさっきあった事を説明した。


祐「……やっぱり、離れるべきじゃなかった……。私の落ち度だ…すまない…」

祐騎さんが謝ってきた。


瞳「そんな事ありません……。ウチが…悪いんです……」


祐「……他に覚えてる事とかは?」


瞳「他に………」


ウチは、殴られて曖昧になった記憶を探った。


なんかの……組織的な感じの何かを見た気が……。





瞳「 あっ!確か、その人達が着てた服に…“G.T”ってロゴが入ってた気が……!」


祐「G.Tだと!?」


祐騎さんが、何か心当たりがあるような反応をした。
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