Virus
瞳「心当たりがあるんですか?」


祐「“G.T”……。正式名称“G.A.T.C.”。アメリカと日本の薬品会社の事だ」

瞳「でも、なんで薬品会社が涼を……」


祐「詳しくは分からない。……が、間違いなく今回の事件に何か関わってる」


私の中に1つの疑問が浮かび上がった。


奴等は、なんで佐野は置いてって伊坂だけ連れて行った?


まさか、伊坂にも何か秘密が……?


瞳「涼を…連れて行ったからですか?」


祐「……それもある。だが、その他にも色々あるんだよ。たく…薬品会社とはやってくれたものだ……」


瞳「薬品会社が何かあるんですか?」


祐「薬品会社なら…研究所を所持してもおかしくはないし、大体名前が“G.A.T.C.”ってのがそもそもおかしいんだ…」


瞳「意味があるんですか?」


祐「“G.A.T.C.”は遺伝子の配列の1つでグアニン、アデニン、チミン、シトニンの4種類の塩基を意味してるんだ」


瞳「あっ、だから、遺伝子と関係が……?」


祐「そう。…!そうだ…!確かにG.Tの研究所はペンタゴンにあるんだ…!確か、その隣にもある!伊坂が居るとしたらそのどっちがだ!」


瞳「だったら、今すぐ行きましょう!」


佐野は、肩の傷も頭の傷の事もすっかり忘れていそうだ。


祐「待て。もう1人の仲間と合流しよう」


瞳「でもっ…!」


祐「でもじゃない。伊坂が心配なのは分かるが2人で行ってもメリットはないぞ。どちらにせよ、この事も報告しなければならないしな」


瞳「そうですよね……。分かりました」


やっと佐野が頷いた。
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