Virus
私は、通信機を取り出した。


繋がってくれよ!


祐「こちら祐騎。聞こえるか?流架」


そう言ったが反応がない。

やっぱり、ダメか?


そう思った時だった。


ピピッ


流「ガガッ…こちら流架。ピー…どうかした?祐騎」


通信が繋がった。


祐「流架、今、何処に居た?」


流「ガガッ…今、ちょっと色々あって…ザザッ…まだ地下に居た。ガガッ…でも、もう地上に上がれるよ」

祐「そうか。じゃあ、一旦合流しよう」


流「ザザッ…合流?でも、確かペンタゴンに待ち合わせじゃ……」


祐「事情が変わった。あと、すぐにでも言っときたい事が出来た」


流「ガガッ…事情?よく分からないけど分かった」


祐「じゃあ、悪いがこっちまで来てくれないか?連れが怪我してしまったんだ。場所は、GPSで分かるだろ?」


私は佐野をチラッと見た。

いくら出血が止まってても頭も殴られてるし、いい状態とは言えない。


だから、治療をしてやりたかった。


流「ピー…よし……そんなに離れてないな。分かった。じゃあ、すぐそっち向かうよ」


祐「頼んだぞ」


ピッ


私は通信機をしまって「こっちに来てもらえるように頼んだから、一旦車に行こう」と佐野を抱き抱えた。

瞳「きゃっ…!ゆ…祐騎さんっ!ウチ歩けますよ…!」


佐野が腕で暴れる。


祐「うるさい。いいから、そのままじっとしてろ」


瞳「でっ…でもっ!」


そんな事をしてる内に車についた。
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