Virus
祐「ここで見てろ!」


ある程度まで下がって、そう言う祐騎に流架は頷いた。


それを見た祐騎はそのまま走り出して助走をつけてから壁を登って真ん中にあった取っ手に掴まって左側の取っ手に移った。


祐「よし、なんとかなったな…。流架!来い!」


流「こ…来いって…」


そう言われた流架は唖然とした。


祐騎は簡単そうに登ってたが壁を助走をつけて登った事はない。


祐「! 急げ流架!」


ヴィーン…


流「!」


後ろのレーザーが動き出した。


流「…っ。やるしかないか…!」


流架は覚悟を決めた。


流「フゥ……」


深呼吸をして、走り出した。


タッタッタ


壁の近くまで走り、そのまま壁を走るように上る。


流「!届いた…!」


なんとか真ん中にあった取っ手に手が届いた。


後は右側の取っ手まで移りレバーを引くだけだ。


流「よしっ。後はレバーを……」


右側の取っ手に移ろうと勢いをつけて移動し、取っ手に手をかけた瞬間手が滑った。


流「しまった…!」


このままじゃ、落ちる…!

落ちたらレーザーにバラバラにされるっ…!


レーザーはすぐそこまで迫っていた。


祐「!流架!くっ…!」


もう駄目だと思った瞬間バシュッという音と何かが壁に突き刺さる音がしたと思うと、背中に何かが当たってそれ以上落ちなかった。


流「えっ!?ワイヤー!?」


そのワイヤーの後を辿ると……


流「祐騎!」


祐騎が咄嗟にしまっていたフックショットを出して向こうのレバーの方にひっかけていた。


流架の重みと祐騎がレバーを引いたの同時だったようでレーザーが止まったようだ。


その証拠に下から【レーザーは解除されました】という声が聞こえ閉まっていたドアも開いた。
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