Virus
み「ハッ……ハァ……」


よたよたしながらも僕は扉を出た。


廊下には誰もいない。


僕は出口を探す為に近くの扉に入った。


ウィーン……


その部屋にはとんでもない物が置いてあった。


み「なっ…!?」


辺りは少し暗く、青の光に包まれている水槽だらけで、水槽の中にはあの化物が入っていた。


み「な…何…これ……。あの…化物……?」


?「その通りだよ」


み「!?」


部屋の真ん中あたりに白衣を着た男が薄ら笑いをしながら立っていた。


み「あ…アンタ誰…?なんでこんな…もの……」


そう言った瞬間、右肩の違和感が強くなった。


み「うあっ…!?な…何…!?うっ…!」


咄嗟に右肩を押さえる。


右肩がビクビクと痙攣する。


何…よ、コレ……!


気持ち悪い…!


まるで右肩だけ違う生き物みたい…っ!


水槽に寄りかかりながら苦しむ僕に対してそいつは笑いながら話をしてきた。


?「あーあ、折角抑えててあげたのに……。点滴1つ残らず取っちゃうんだもんな……。それは苦しいだろうね」


み「アッ…アンタ…一体何…者なの!?…僕の体に…何をした……!?うあ…!」


今にも暴れだしそうな右肩を押さえ付けながら僕は聞いた。


J「クス……僕は“J”……。君の体にはちょっとした細工をしたんだよ。ちょっとした……ね」


相変わらず嫌な笑い方をしながらJは近付いてきた。
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