Virus
み「キメ…ラ…?あの※ギリシャ神話…の…?」


J「そう…。【つまり、2つ以上の異なった種の細胞から1つの生物をつくろうという研究で、すでにマウス、ヤギ、羊でも成功している。このようなキメラ生物は、発生の機構や遺伝病の解明に役立つと考えられてるが、まだまだ技術的には解決しなければならない問題が山積みしている】……と言うのが本に書いてある文章。でも、僕はその研究を成功させた。君にはウィルスの他に爬虫類の遺伝子を組み合わせた。ほら……右肩が暴れだしそうだろ?」


メキィ…


右肩が引っ張られている感じがする。


何か得体のしれない物が飛び出してきそうな感じだ。

み「う…ぐ…!」


強く右肩押さえ付ける。


J「まぁ…その上、君には取って置きの“秘策”を仕込んどいたんだけどね」


ニヤッと笑いながら頬に触れる。


ゾッとした。


み「触…るな…!」


パシッ!


み「…!?」


手を払った瞬間何か違和感が走った。


が、とりあえず奥の扉に走った。


ウィーン


J「ふふ……。まだ芽を出してないか……」


みみの後ろ姿を見ながら笑った。


※【キメラ】
キメラとはギリシャ神話に登場する架空の動物であり、頭はライオン、胴体はヤギ、尾は蛇という怪物です。
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