Virus
み「ハァ…ハァ…」


隣の部屋も似たような部屋だった。


なんだろ……。


さっきあいつを払った時…なんか凄く払いづらかったような………。


み「うっ……」


トンッとさっきのように水槽に寄りかかる。


右肩の違和感は強くなる一方だ。


み「ハァ……」


僕は何気なく水槽に写る自分を見た。


み「!?えっ…?」


そこに写って居た自分の目の色が……金色になっていた。


J「あぁ、説明してなかったね」


み「!?」


いつの間にかJはこの部屋に居た。


J「このウィルスを投与すると目の色が金色になるんだよ。綺麗だろ?成功作の子は皆、美しくしてあげたいって思うのが俺の美学なんだよ」


み「成…功作…?アハハ…笑わせ…ないでよ…。僕はアンタみたいな…奴に利用される気なん…かない…!」


足がおぼつかなくガタガタ震える。


J「クスクス……。そうは言ってられないよ…。君はもうすぐ人間としての理性、記憶をなくすんだからさ」


み「だっ…たら、その前に…死んで…やるわよ……ゲホッ…」


僕がそう言うとJは高笑いした。


J「クス…アハハハハ!それは無理だよ!自殺なんかさせない。戦い以外で死ぬ事なんて俺が絶対許さない。それに…君はすぐにでも俺の言う事をきくようになるさ」


Jが意味の分からない事を言った。


み「はぁ?…僕…が…アンタみたいな奴…の言う事なんかきくわけ……」


ビキィ…


首筋に嫌な感覚が襲った。

み「うっ!?な…に…?」


J「ふふ…。漸く成長したようだね…。もう君は俺の物だよ、みみ。さぁ、出ておいで……俺の可愛い可愛い“ヒドラ”ちゃん」

そうJが言った瞬間背中が引っ張られている感覚に襲われた。


み「な…何…!?うっ…!」

思わず膝をついたその時……。


ググッ…メキッ…!


背中から何かが出てきた。
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