Virus
地下3階に着いた。


祐「気ぃ抜くなよ…何があるか分からん」


流「皆、なるべく俺達が守るけど…俺等に何かあったら自分の身は自分で守ってね」


流架はそう言うとハンドガンを3人に渡した。


遊「俺だって男だ。ちゃんと戦うよ。…夕花と瞳を守る」


銃を握りしめながら遊志は答えた。


夕「ダーリン」


瞳「遊志くん…ありがとう」


祐「入るぞ」


ウィーン


扉の先は広いホールになっていた。


相変わらず周りには研究機材でいっぱいだが。


J「やぁ、皆さん。先刻ぶりだね」


「!」


Jはホールの真ん中に居た。


白衣を着た銀髪の、細身の男だ。


瞳「貴方が…J」


Jはクスっと笑った。


瞳「よくも…よくもゼロを!」


ウチはぎゅっと拳に力を込めながら言った。


J「おや…どうやら記憶が戻ったようだね。ゼロを知ってるなんて」


嫌な笑い方だ……。


瞳「貴方なんでしょ!?ゼロをあんな姿にしたのは!ゼロから…ゼロから笑顔を奪ったのは!」


J「それは誤解だよ。確かに俺はゼロにウィルスと寄生虫の投与と遺伝子操作はしたけど…記憶もいじってないし、何よりあの子は普通のキメラじゃない“ゼロ・キメラ”なんだから理性だってちゃんとあるよ」


相変わらず笑いながらそう説明してきた。
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