Virus
遊「あと…高速道路であの化物に襲われた時だって…何故か狙うのは熊坂ばかり。熊坂と富恵が見張りをしてたのは3番目…。それまで、攻撃すらしてこなかったし、何よりあの時、富恵は無傷だった。それで気付いたんだが、あの化物は、もう寄生虫を入れられた化物だったんじゃないのか?そして、あの時、女子トイレで女子生徒にウィルスを投与したのはお前で、その現場を見た熊坂を口封じに殺したんだ。…余計な事を話される前に」


少し声を低くしながら、遊志は答えた。


淳「なるほどね…。あーあ、やっちゃった。あの時、俺は黒ずくめの恰好でウィルスを投与しに言ったからね。つい言っちゃったな。…そうだよ。余計な事を言われる前に一足先にヒドラを入れた化物を日本に放しといたんだ。そして、命令して殺させたのはまぎれもない俺だよ」


淳志は平気でそんな事を口にした。


夕「そ…そんな…」


淳「そこまでは理解出来たけど…なんでみみさんも殺した事になってるのさ?」

確かにそうだった。


遊「お前、あの時……瓦礫の破片を大野の方へ蹴飛ばしただろ?アレがおかしいと思った。そして堀北なら大野を守る…と思ったんだろ?案の定…その直後に化物が出てきて堀北が大野を庇った…。何故、堀北まで襲わせた!?」


沙紀を殺すまでは分かるが、みみまで襲わせた意味が分からない。


淳「……やっぱり、兄さんはカンが鋭いよ。何故かって?S.Dと関係があったからさ。面倒な事を報告される前に襲わせたんだ。…って言っても死ななかったけど。…まぁ、死んだ方が楽だったと思うけどね」


淳志の言葉に遊志は歯軋りをした。
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