Virus
今…なんて言った…?


「だってウザイんだもーん。なんか、『私は体、弱くても前向きに行きます』ってオーラ出てて、しかも常に超笑顔なんだもん。キモいっしょ」


アハハと教室中に響く笑い声。


「で…でも、もしそれが原因で自殺したんなら……ヤバくない…?遺書でもかかれてたら……」


いつもその女子にくっついている、いわゆる『金魚のふん』の女子がそう言った。

「はっ、平気だよ。だってあいつ『私…あなたに何されても平気だよ。私は人が大好きだから人を恨んだりしない』って言ってたからね。だから、人のせいにしたりするわけねーじゃん。つーかマジ馬鹿らし〜…。あーゆーの見てると超苛つくんだよねー。まっ、お陰で助かったけど〜」


「おー、女ってこえ〜なぁ」


「よく言うよー。あんただって宇佐美くんの事、嫌ってたじゃーん」


いつもと変わらない口調で言った。


「それこそ、あいつもウザイだろ。中川、中川ってさ。しかも、兄貴と同じで頭良いだかなんだか知らねぇけど調子にのってるし。だから、葬式ん時のあいつの顔、マジウケたし。笑い止めんの必死だったんだからなー」


「わー、人の事、言えないじゃーん。アハハ。マジウケるー」


教室中、笑い声でいっぱいになった。


淳「………」


淳志は黙って教室のドアから離れた。
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