群青色の空に
二、
静かな沈黙が響いた。
琥珀の目が瑠璃の目を捉えて離さない。
べったりと絡みつくものでもなく
するりと抜けてしまうものでもない。
目を逸らしたくない、ずっと捉われていたい。
不思議な感覚に襲われた。
「佐野琥珀」
千代の声が沈黙を破った。
「はい」
「もうあなたは久羅奈家に仕える者です。
分かりましたね。」
「ええ。」
しっかりとした声が応える。
「では、さっそく仕事を
覚えてもらわねばなりませんね。
瑠璃様、幸を呼んで参りますので
少々お待ち下さい。」
千代が部屋を出て行った。