群青色の空に
虚空
一、
遥か高くに果てしなく広がる空を見上げた。
その空に一つ、浮かぶ月は
無性に儚く、虚しく、美しいものだった。
月は、孤独だ。
果てしない空にぽつりと1人で浮かび、
日が昇ればその姿を隠してしまう。
孤独な月は私のよう。
月もいつか、
私のように滅びる時がくるのだろうか。
「瑠璃様、御就寝のお仕度を。」
「・・ああ」
瑠璃は瞳に月を映したまま
その場を去った。