群青色の空に
「瑠璃様、お待ちください。
いつも申し上げておりますが、
お一人で行動なさらないで下さい。」
千代が瑠璃に追いついて困ったように言った。
「・・・・。」
瑠璃の部屋から小さく灯りがもれている。
世哉がいるに違いない。
「あら、どなたかいらっしゃるようですね」
千代が何のためらいもなく部屋を開けた。
部屋の中には予想通り、世哉がいた。
隅にいた世哉はすばやく振り返り、驚いた表情で瑠璃を見つめた。
手に持たれたろうそくは、手元を照らし出すためのようだった。
「私の部屋で何をしている。」
瑠璃が問いただすと世哉は何か思いつめたように黙り込んだ。