群青色の空に


翌朝、早くに目が覚めた。

ふすまが少し開き、そこから光が洩れている。




だれか部屋に入ったのだろうか。




体を起こし辺りを見渡すと枕元にある

何かが光に反射して、キラリと光った。




瑠璃はそれを手に取り、不思議そうに見つめる。





日の光を受けて赤い光を反射させるそれは

昨日真っ二つに割れてしまった筈の髪櫛だった。




髪櫛はいつもと変わらぬ様子でキラキラと

綺麗に輝いている。




「一体、誰が・・」




あれほどまでに割れてしまった髪櫛を

直すことは不可能だ。



つまり、

新しい物を作ったということ。




しかし、一夜で同じものを作るなど

可能なのだろうか。


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