群青色の空に
瑠璃は一息つくと、
今度は落ち着いた様子で呟いた。
「・・髪櫛が・・母上から頂いた髪櫛が」
「え?」
「なかったのだ・・部屋に。」
そう言うと瑠璃は再び歩きだした。
「本当になかったのですか?よくお探ししましたか?」
「朝はこの髪櫛を見つけたことに驚いていて、部屋の中はよく覚えていないが、母上から頂いた髪櫛を見かけなかった。」
「やはり、見落としていたのでは・・」
寝室を開けるとすぐさま、辺りを見渡した。
昨日、置いておいたのだ。
枕元に。
割れてしまっても、
大事にしておこうと昨夜
思っていたところだったのに─―・・