群青色の空に


食事の後は波津家への特注書に目を通していた。


「入ってもよろしいですか?」


ふすまが開き、顔をあげると
琥珀がその場にいた。


「特注書はまだ確認が終わっていないが。」

「・・そうですか、すみません。」


そう言ったが、琥珀は戻ろうとしない。


「琥珀さん、どうしたのですか?」


横に座っていた幸が尋ねる。


「厚かましいのかもしれませんが・・」


言いづらそうに琥珀は言葉を詰まらせる。


「厚かましいと思うなら口にするな。」


特注書を眺めながら瑠璃は言った。


「いえ、それでも申します。」


驚いたように瑠璃は琥珀を見た。

< 41 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop