群青色の空に
食事の後は波津家への特注書に目を通していた。
「入ってもよろしいですか?」
ふすまが開き、顔をあげると
琥珀がその場にいた。
「特注書はまだ確認が終わっていないが。」
「・・そうですか、すみません。」
そう言ったが、琥珀は戻ろうとしない。
「琥珀さん、どうしたのですか?」
横に座っていた幸が尋ねる。
「厚かましいのかもしれませんが・・」
言いづらそうに琥珀は言葉を詰まらせる。
「厚かましいと思うなら口にするな。」
特注書を眺めながら瑠璃は言った。
「いえ、それでも申します。」
驚いたように瑠璃は琥珀を見た。