群青色の空に
変わった者だ。
いや、ただ礼儀を知らないだけか?
「瑠璃様はもう少し、ご自分のお気持ちを話されたらどうですか」
にこやかに琥珀は言葉を口にした。
全く悪びれる様子も、恐れる様子もなく。
「は?」
思わず、間の抜けた声を出してしまう。
「私に向かっての言葉か?」
「え・・そのつもりですが」
逆に驚いたように琥珀は答える。
「つい昨日、仕え人になった者が私に物申すとは」
呆れたように瑠璃は言った。
「昨日入ったばかりですが、それでも分かりました。瑠璃様はご自分のお気持ちを伝えずに、我慢してらっしゃるでしょう。」
「礼儀を知らないのか?そなたは、仕える身ということを理解しているのか」
「礼儀というものは、自分の考えを押し殺すことではないと思いますが」
琥珀は瑠璃の目をじっと見つめる。