群青色の空に
1人の時間をゆっくりと過ごしていると
突然、悲鳴に似た声が庭に響いた。
「瑠璃様・・!!」
驚いて振り返ると、屋敷から幸が
小走りで駆けよってくるのが見えた。
「まあ、こんなお寒い中で!
さあ早くお入りください!」
血相を変えて話す幸に瑠璃は顔をしかめた。
「幸、少し大袈裟だ。
そんなに騒ぐことでもないだろう。」
「何を仰るのですか!
お風邪でもひかれたらどうなさるのですか」
幸の心配症には少し嫌気がさす。
といっても、幸だけでなく
屋敷の者の大抵が、極度の心配症だが。