feather ~海の彼方~
――――十二月二十三日。
今日は朝から雪がちらついている。
そういえばニュースで、『今年一番の冷え込みになるでしょう』って、言ってたっけ。
私が窓の外を見ていると、黒の大きな車が止まるのが見えた。
カイの車だ。
私がテーブルの上を片付け、鞄のチャックを閉め終わったところで呼び鈴が鳴った。
「はいはーい」
スリッパをパタパタと鳴らして玄関へ向かう。
扉を開けると、カイがニッコリと微笑んでいた。
黒色のジャケットと細身のジーパンが、カイによく似合う。