feather ~海の彼方~


――――十二月二十三日。


今日は朝から雪がちらついている。

そういえばニュースで、『今年一番の冷え込みになるでしょう』って、言ってたっけ。


私が窓の外を見ていると、黒の大きな車が止まるのが見えた。

カイの車だ。


私がテーブルの上を片付け、鞄のチャックを閉め終わったところで呼び鈴が鳴った。


「はいはーい」


スリッパをパタパタと鳴らして玄関へ向かう。

扉を開けると、カイがニッコリと微笑んでいた。


黒色のジャケットと細身のジーパンが、カイによく似合う。



< 148 / 208 >

この作品をシェア

pagetop