feather ~海の彼方~


「大丈夫だよ。その日は一日オフにしてもらったから。代わりにハルキを犠牲にしたけど」

「ハルキさんかわいそう……」

「たまには、ハルキにも働いてもらわなきゃな」


ハルキは一番、暇人だから。と、カイは言った。

同じバンドメンバーに、暇人もなんもあるのかな……。


そんな私の疑問を断ち切るように、カイは椅子から立ち上がった。


「さて、腹ごしらえも終わったところで、いきますか」

「うん。」


私の椅子を引いてくれたカイは、そのまま手を繋いだ。


「階段、気をつけてね。」

「ありがとう」


そんな心遣いがカイらしい。


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