feather ~海の彼方~


「じゃあ、先に車に乗ってて。」

「うん。わかった」


カイがお金を払う為、私は車の鍵をもらって、店の外に出た。


来た時と同じ、カランと鈴の音を響かせて扉が開く。

耳に心地よい音は、寒空へと消えていった。



「寒っ……」


反射的にその言葉が出る。

先程から降り続いている雪は、うっすらと道路や屋根を飾っていた。


私が早く戻ろうと、足を踏み出した時だった。


「ソラ……?」


寒空に響いた聞きなれた声に、私は無意識に振り返った。



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