feather ~海の彼方~


「お前らさ……。労わりの言葉とかないわけ?」

「自分の不注意だろ」

「そうそう」

「カイちゃん、今年の風邪、一番乗りだよ」

「………」


もう、言い返す気力もないのか、カイはぐったりしていた。



「じゃあ、俺達は仕事あるし、もう行くわ」

「しっかり治せよー」

「早く元気になってねー」

「馬鹿は風邪ひかないって言うけど……。違ったんだな」



皆はそれぞれカイに言葉を掛けると、部屋を出ていく。

私も見送りのために、玄関へと向かう。



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