feather ~海の彼方~


「カイ、お腹すかない?」

「すかな~い」

「でも、食べないと治らないよ?」

「ソラが側にいてくれればいい」


だめ?って……

そんな顔されて、だめなんて言えないよ……。


「分かった。側にいる……」


私がそう言うと、カイはニコッと笑って手を繋いだ。


「めずらしく、甘えたさん?」

「ソラの手は、ほっとするね」


繋いだ手に頬を寄せると、そのまま寝息を立て始めた。

こんな無防備な顔を見るのは、初めてかもしれない。

その顔だけを見ると、小さな子どもにも見える。



< 191 / 208 >

この作品をシェア

pagetop