feather ~海の彼方~
「カイ、お腹すかない?」
「すかな~い」
「でも、食べないと治らないよ?」
「ソラが側にいてくれればいい」
だめ?って……
そんな顔されて、だめなんて言えないよ……。
「分かった。側にいる……」
私がそう言うと、カイはニコッと笑って手を繋いだ。
「めずらしく、甘えたさん?」
「ソラの手は、ほっとするね」
繋いだ手に頬を寄せると、そのまま寝息を立て始めた。
こんな無防備な顔を見るのは、初めてかもしれない。
その顔だけを見ると、小さな子どもにも見える。