feather ~海の彼方~
私は繋がれた手をそっと解くと、今のうちに何か作ろうと考えた。
キッチンへ向かって冷蔵庫を開ける。
電話をもらってここへ来る時、買い物をしていたので材料を入れてあったのだ。
「よしっ」
私は腕まくりをし、ご飯を作る間に洗濯機を回し、掃除機をかけた。
私がバタバタと働いていると、カイが起きてきた。
「カイ、起きたの?大丈夫?」
「美味しそうな匂いがする……」
「雑炊つくったの。食べられる?」
「うん。食べる」
椅子に座ってぼーっ、としているカイの前に雑炊を出す。
するとすごい勢いで食べはじめ、十分で見事完食した。