feather ~海の彼方~
「ほんと何処にいったのよ~。もうすぐ花火が上がっちゃうじゃない。」
八月の最後の日曜日。
私は高校時代の友達と三人で、とある海に花火大会に来ていた。
それはよかったんだけど、二人は「お腹空いちゃった。出店でなんか買ってくるねぇ。」
とそれだけ言い残し、さっさと人混みに紛れてしまった。
それから四十分。
一向に姿が見えない。
はぁ~、と私がため息をついたのと、夜空に大輪の花が咲いたのが同時だった。