feather ~海の彼方~

「はい、コーヒー。」

「ありがと。」


私にコーヒーを渡したカイさんは、写真に視線を移した。


「母親は俺がガキんとき死んだ。親父も高校の時に、病気でさ。」

「そうだったんだ……。なんかごめんね。」

「いいよ。あんまり気にしてないしね。二人ともいい人だったよ。」


そう言ってカイさんは、静かに微笑んだ。


その顔から、カイさんが両親のことを愛していたことが分かる。


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