feather ~海の彼方~

「そのCDは?」

「これは、親父が母さんのために作った曲。」

「カイさんのお父さんって何者!?」

「しがないミュージシャン~」

カイさんはそう言ったけれど、聴こえてきたのはラブソング。


切ないのに何故か暖かい。

そんな曲だった。


「曲名ってあるの?」

「そのまんまだよ。『あいのうた』」

「あいのうた…。素敵な曲だね。涙が出るくらい綺麗な曲…」

「親父が泣いて喜ぶよ。」


そう言ってカイさんは、優しく笑った。




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