feather ~海の彼方~

「俺の為に、弾いてくれない?」

「……分かった。」


私は少し迷ったけど、ピアノを弾くことにした。




その部屋には、ピアノと本棚しかなかった。


部屋の隅に置いてあるピアノには、きちんとカバーがかかっていた。

私はそれを取って驚いた。


「このピアノ、ベーゼンドルファーじゃない!!」

「ん?あぁ、そうだね。」

「そうだねって……」

「元々は親父のなんだ。」


あっさり答えたカイさん。

未だ、最高級ピアノを前に驚く私。


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