feather ~海の彼方~


それから急に、真剣な顔をしたカイさんは、ゆっくりと話し始めた。


「俺さ、ソラちゃんに初めて会った時、天使かと思ったんだ。」

「私が……?」

「うん。あんまり綺麗でさ、どうしようかと思った。」


それからカイさんは、窓辺に近寄った。

もうすぐ、日が傾き始める時間。

窓から差し込む夕日が眩しい。


「街で再会した時、もう運命だと思ったよ。」

「………。」

「そんなの、全然信じたことなかったのにさ。」


そう言ってカイさんは振り返った。

その眩しさに、目を細めたとき。



< 65 / 208 >

この作品をシェア

pagetop