満天の星空に


「ねぇッ!!」


あたしは、強制的にこっちに顔を向けさせた。


「目ぇ見て話し――」




………え?



なんで

そんなに


切なそうな瞳してるの……?




「……っ」



ダンッ!!


と、悠はあたしを囲むようにして、あたしの背中にある壁を殴った。



その音に、ビビって目を閉じてしまったあたし。


「…………けんな」



目を開けた時には、悠はあたしのすぐ目の前にいた。


声はすごく怒ってて恐いのに、悠の顔は、今にも泣きそうで。


まるで、悲しみに押し潰されているかのような―――。



「ゆ……んっ……!?」



その瞬間、あたしの唇に、なにか、柔らかいものが触れた。


それが、悠の唇なんだと、キスされてるんだと気づくのには、少し時間がかかった。


だって、あたし、まだ、

ファーストキスだって……
したこと……


ない、よ?




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