満天の星空に




キーンコーン……


「授業始めるぞー」





………。


決意したとたんに授業ですか。


運悪ッ!


まぁ……次の休み時間でいっか。


1時間目は緊張をほぐすのに使おうかな、なんて思った時。



「ごるぁあっ!尾川ぁぁあ!!何してんだそんなとこで!自分のクラスで授業しろー!!」



先生が廊下で必死に走って逃げる悠に叫ぶ。



ってか悠!!?


悠は階段を降りていっている。


「悠、どこに行くんだろね………って季里!?」



気が付いた時、あたしはもう、席を立ち、悠を追いかけていた。




ザワザワと騒がしくなる教室の声も、不思議と気にならなかった。


叫ぶ先生の声も、もはや聞こえなかったくらい。




なんか……今しかない。


そんな気がしたから。





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