満天の星空に
あたしは、ある場所に向かって走りだした。
それは、山の…茂みの中にある……悠の好きな場所でもあり、あたしの好きな場所。
そして……二人だけの、秘密の場所―――
「近道近道っと………」
木々の間を無理やり通っていくあたし。
一応、何回も通っているから馴れてる……はずなんだけど。
足が……動かないんですね?
ん?
なんで?
そう思って下を向いてみると………
……人がいた。
「ぎぃやぁぁああぁああ!!?」
「んだぁ〜?おめぇ」
足が動かなかったのは、この人(なんか頭おかしそうなオヤジ)のせいだったのか!
「ちょっ……すみません、急いでるんで。」
早く悠のもとに行きたい。
あそこにいるかどうかはわかんないけど、ここで時間くってる暇はない!