満天の星空に


……手を繋ぐようになったキッカケは、あたしが小学4年生の頃。


確か……悠と一緒にお祭り行った時。

すごい混んでて、手繋いでなかったから、途中で悠とはぐれちゃって。

変なおっさんに絡まれちゃって、もう泣きそうだったときに、やっと悠が見っけてくれたんだっけ。


それで、もう二度とこんなことがないようにって、手を繋ぐようになって。


それからズルズルここまで来ちゃって。


……今思うと、お祭りとかの人が混んでる時だけでよくない?なんて思うこともあるけど、別に嫌じゃないし、今さらって感じだしね。



外に出ると、真っ暗で、冷たい風が吹いていた。



「っさみ〜〜!」


「ほんと〜!さむい〜
あ、カイロあるよ?」


「マジ?」



「うん」と言いながら、左手でポケットの中を探って悠に渡す。


悠は、「わーい♪」なんて言いながら右手で受け取って、頬っぺたにつけた。


「あったか〜♪」


ホント、単純。

まぁ、こういうところが可愛いんだけど。


自然と顔が緩まる。



なんだかんだ言って、あたしと悠は仲がいいんだ。



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