満天の星空に
「……ふーん?
そんじゃ教室行くよ」
……へ?
あれ?
そんだけ??
あたし、今、あからさまに不審だったよ!?なんかしらの突っ込みはないの!?
……って、あれ?
いや、別にいいじゃん。バレなかったんだから、悠に。
ってゆーか、バレたところで、悠が何言う場面でもないし。
……あたし、なんでこんなに焦ってんだろ。
「ほら季里!置いてくよー?」
数メートル先のところで、悠が叫んだ。
「今行くよ!」
あたしは、手紙をバックに押し込んで、悠のもとへ走った。
いつものやりとりのはずなのに。なんだか今日は、胸がモヤモヤする。
この気持ちは何なんだろう、と思ってばかりだったから、気付かなかったんだ。
今、いつもは繋いでるはず手が、繋がれていないことに。