一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜



それに、あたしは秀が大好きで今は想いが伝わって付き合うことができた。




だから…。





「あたしは…先生と付き合うことはできません。ごめんなさい…。」





先生の腕の中から離れようと身体を動かす。





─────ガシッ。





「え?」




「離さないよ?
やっと捕まえたんだ…。誰が逃がすものか。」






怖い。




あたしの心はその感情だけに襲われた。




そこにはもう、いつもふざけてる先生の姿はなく、獲物を捕らえた狩人のような目をした先生がいるだけだった。





「離して…ください。」




擦れる声を必死に出す。


怖くて全身が震え出す。






「何をそんなに恐がっているんだ…。俺に全てを預ければいい。」




そんなこと言われても…今の先生には恐怖しか芽生えてこない。





「さぁ。俺と付き合って、俺のものになれ。」




「いや…あたしは……ものなんかじゃ…ない。」





生暖かい涙が頬を伝う。




恐怖の固まりが、あたしの中から消えない。






< 185 / 269 >

この作品をシェア

pagetop