一気に三人!?〜増えた家族は王子様!?〜
それに、あたしは秀が大好きで今は想いが伝わって付き合うことができた。
だから…。
「あたしは…先生と付き合うことはできません。ごめんなさい…。」
先生の腕の中から離れようと身体を動かす。
─────ガシッ。
「え?」
「離さないよ?
やっと捕まえたんだ…。誰が逃がすものか。」
怖い。
あたしの心はその感情だけに襲われた。
そこにはもう、いつもふざけてる先生の姿はなく、獲物を捕らえた狩人のような目をした先生がいるだけだった。
「離して…ください。」
擦れる声を必死に出す。
怖くて全身が震え出す。
「何をそんなに恐がっているんだ…。俺に全てを預ければいい。」
そんなこと言われても…今の先生には恐怖しか芽生えてこない。
「さぁ。俺と付き合って、俺のものになれ。」
「いや…あたしは……ものなんかじゃ…ない。」
生暖かい涙が頬を伝う。
恐怖の固まりが、あたしの中から消えない。